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緑内障グループ 

 
 
緑内障(glaucoma)は、紀元前400年のヒポクラテスの時代に遡る極めて歴史の長い疾患です。また、緑内障は一つの眼疾患ですが、日本でも国際的にもそれだけで大きな学会が組織されるほどいろいろな研究側面をもつ疾患です。緑内障は、眼圧などのストレスにより視神経乳頭において網膜神経節細胞の軸索が障害され、網膜神経節細胞死が起こり、視野障害が起こる疾患ですが、解剖学、生理学、薬理学、生化学、分子生物学などの叡知を結集しても、いまだに解き明かされない謎が少なくありません。診断と病態、薬物療法、手術療法ともに未解決の課題が山積しています。当教室では杉山教授の指導のもとで、緑内障のよりよい診療を目指して診断から治療までさまざまなテーマの研究を行っています。当教室での研究に参加して、紀元前から続く緑内障の謎を解き明かし、歴史の1ページを作りませんか?
 
1.診断:
 1)新しい視野計の開発
   眼底対応視野計(KOWA)
   小視標視野計(可児式)
 2)視神経乳頭解析
   SD-OCT
   ステレオ眼底写真
 3)緑内障検診
   2002年から2003年にかけて行われた緑内障の疫学調査により、40歳以上の緑内障の
   有病率が5%で、その内確認されていないいわゆる潜在患者が約90%になるという結果
   が得られました。
   これをうけて、当大学では緑内障検診を効率よく行うためのモデルを模索考案するため
   にいろいろな対象者や年齢層を標的とした検診を施行してきました。
   i)自治体の住民検診に連動した緑内障検診
   ii)企業の人間ドックに連動した緑内障検診
   iii)若年者を対象とした緑内障検診(視神経乳頭解析)
 
 
2.病態:
 1)眼圧日内変動
   緑内障の診断および治療の指標として重要である眼圧はその測定時間により変動するこ
   とが知られています。一日の中でも測定時間により異なるとされる日内変動、同一の時
   間帯に測定しても測定する日により変化があるとされる日々変動、さらには季節の違い
   で眼圧が変化するという季節変動があります。実際の臨床、特に外来でこれらの変動を
   患者ごとに計測するには限界があります。当大学ではその日内変動のリズムの個々人の
   違いが何らかの遺伝子を発端とするシグナルで規定されていると考え、その基盤を探る
   べくいろいろな手法で解析を続けています。
    眼圧日内変動を規定する遺伝子多型
    眼圧日内変動の分子メカニズム(遺伝子改変マウス)
    眼圧日内変動の再現性:2日連続測定による評価
 2)構造と機能
   乳頭出血と網膜神経線維層欠損の形成
 
3.治療:
 1)テーラーメイド薬物療法
   先に述べた日内変動と同様に薬に対する反応性が薬物の種類によっては個々人で大きく
   異なることがこれまでの報告や日々の診療の上で分かっています。そのため効果が十分
   出る薬剤を決定するために患者さまによっては時間がかかることがあります。
   また、薬物によっては副作用の発現が危惧されるものもあり、その人に安全でかつ有効
   に眼圧下降を得られる薬物の選定が効率よくなされるのが理想です。この観点に基づき
   研究されているのが薬物療法のテーラーメイド化です。当教室では以下にあげる3つの
   観点からテーラーメイドの実現を目指して研究しています。
   i)Pharmacogonomics(薬物反応性を規定する遺伝子多型)
   ii)片眼トライアルの有用性の検討
   iii)プロスタグランジン関連薬による眼圧下降の評価
 2)新しい薬物療法に向けて
   ラット専用OCTの開発とin vivoでの網膜神経節細胞障害評価
   エンドセリン硝子体内投与モデルの開発
 3)理想的な濾過手術の追求
   安全な濾過手術の開発:HRT−RCMとUBMによる評価
   生体適合性薄膜(ハニカムフィルム)による新しい術式の開発
 4)抗VEGF抗体を用いた血管新生緑内障の新しい治療法
 
4.多施設共同研究
・LNPGS 正常眼圧緑内障の長期経過の研究
・SD-OCT トプコン、ニデック
 スペクトラルドメインOCTによる正常人データベースの作成
・眼表面に対するプロスタグランジン関連眼圧下降薬ラタノプロストおよびトラボプロストの影響
・緑内障眼におけるブロキレート®PF点眼液2%のocular surface障害発生抑制効果の検討
・緑内障濾過手術後における濾過胞感染の調査(日本緑内障学会による多施設共同研究)
・濾過胞炎、眼内炎後調査(日本緑内障学会による多施設共同研究)
・原発開放隅角緑内障における構造・視野進行障害に関する前向き観察研究
 
5.緑内障グループの受賞・研究助成
 須田賞(公益信託 須田記念緑内障治療研究奨励基金)
第9回(平成7年)杉山和久
第20回(平成18年)東出朋巳
第23回(平成21年)大久保真司
第24回(平成22年)新田耕治
 
 今井記念(公益信託 今井記念緑内障研究助成基金) 
平成19年度 東出朋巳
平成20年度 大久保真司
平成21年度 武田 久
平成22年度 齋藤代志明
 
6.特許
  ハニカムパターンフィルム(緑内障治療剤):特開2008-136770
  色素含有ハニカムフィルム:特開2010-104639
 
7.研究
・緑内障の構造と機能の関係
緑内障手術の治療成績
緑内障における眼圧日内変動の研究
 
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