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小児眼科・斜視グループ 



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<小児眼科>

 新生児の視力は、0.02〜0.05程度ですが、出生直後から「鮮明な像」を見ることによって8歳頃まで発達を続けるといわれています。また、出生後両眼で「同時にものをみる」という刺激によって、(3Dなど)両眼視機能を獲得していきます。正常な両眼視は出生時には備わっていませんが、生後2〜6か月でほぼ完成し、2歳ころまで発達すると考えられています。視機能の発達期に、発達の妨げとなる疾患や異常が生じると、弱視となります。弱視は早期発見し治療すると、正常な視力を得ることも多いですが、視機能の発達期内に治療しないと視力を改善できず、タイムリミットがあります。さらに治療には、保護者の理解と協力が必要です。
 一方、残念ながら、早期に発見・治療を開始しても視機能の改善が得られない小児眼疾患もあります。そのような眼疾患であったとしても、できる限りの治療を試みた上で保護者の方々と最善の策をとっていけるようにしております。
 
<斜視>

 私たちは、ふだん両眼で物を見ています。右目と左目は5−7cmほど離れていますが、それぞれの眼に映った像がダブったりしないように、左右の眼からの情報を脳で重ね合わせて、しかも立体的に見ています。また、眼球には上、下、内、外と斜め2本の6本の筋(外眼筋)が付いています。つまり、外眼筋は両眼で合計12本です。外眼筋は、脳からの命令を受けて、それぞれがバランスよく伸びたり縮んだりして左右の視線がずれないようにしています。
 「斜視」は、両眼の視線が同一視標に向かずにずれている状態です。斜視の原因はさまざまですが、脳が左右の眼からの情報を重ね合わせる機能(融像機能)の異常など感覚系の異常、外眼筋が眼球に付いている位置の異常など眼球運動系の異常、屈折(近視、遠視、乱視など)の異常、調節(オートフォーカス機能)の異常などがあげられます。しかし、眼疾患や全身疾患が原因で斜視となる場合もありますし、遺伝性のものもあります。
 眼位ずれの方向は、水平、上下、回旋があります。水平斜視では内斜視と外斜視、上下斜視では上斜視と下斜視、回旋斜視(まわし斜視)があり、これらの斜視が合併することもあります。
 斜視があれば、原因検索を行い、脳疾患などの全身疾患や眼疾患が原因であれば、原疾患の治療を行います。斜視の治療には、@外眼筋手術、Aプリズム眼鏡、B視能訓練などがあり、いずれの治療を選択するかは詳しい斜視検査をしてから決めます。また、小児では、弱視が存在すれば弱視治療を優先します。斜視弱視があれば健眼遮閉を行い、屈折異常が存在すれば屈折矯正も行います。成人では、眼位ずれによる疲労や複視を訴える場合、整容的な改善を希望する場合などには手術を行いますが、眼位ずれの小さい斜視はプリズム眼鏡で治療することもあります。
 
 
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