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視能訓練士

 視能訓練士(orthoptist) は、国家資格で眼科の専門知識を持ったコメディカルの職種です。欧米では、眼科診療に関わる眼科医以外の専門職はさらに細分化しておりますが、わが国では、視能訓練士が唯一の専門職です。以前は、視能訓練士の数は非常に少なく、その仕事も斜視、弱視などの検査、訓練に限られていました。近年では、視能訓練士の必要性が社会に認められ、視能訓練士を養成する大学や専門学校が急増し、視能訓練士の数も増えたことにより、活躍の場は斜視、弱視に限定されることなく眼科診療全般に拡大しています。
 公益社団法人 日本視能訓練士協会
 こちらも参考にしてください(「おしごとはくぶつかん」(朝日新聞)」)
 
当院ではの視能訓練士が勤務しています。
視能訓練士同士はもちろんのこと、医師や他職種との「報告・連絡・相談」を大切に考え、日々の業務に取り組んでいます。
日常の臨床のほかに、学会や講演会への参加、臨床研究、論文作成、眼科雑誌や教科書の執筆も行っています。外来業務以外の業務の紹介はこちら
また、視能訓練士養成校から臨床実習生の受け入れや関連病院から視能訓練士の研修も受け入れています。
 

 
 

私たち視能訓練士は眼科領域における専門技術者として、眼科医との連携を図り、乳幼児からお年寄りまで世代を超えて、大切な目の健康を守るお手伝いをしています。
                      


2023.10.4
当科視能訓練士 宇田川さち子が編集・執筆し、花形麻衣子、北村愛海、介田理子が執筆に加わった、眼科ケア2023年秋季増刊号「『一人でできる』を目指すための眼科検査/ 完全攻略バイブル/ 23の検査をまるっと理解!(メディカ出版)」が発売されました。 詳しくはこちら
2023.6.21
当科の杉山能子編集、宇田川さち子、花形麻衣子が執筆に加わった「できる!斜視検査〜両眼視機能がわかる、ケーススタディでレベルアップ!(三輪書店)」が発売されました。
2023.6.1
宇田川さち子と花形麻衣子が日本眼科啓発会議認定の 「アイフレイルサポート視能訓練士」に認定されました。
2023.5.21

宇田川さち子が第12回日本視野画像学会優秀演題賞を受賞致しました。詳しくはこちら

2023.11.12

花形麻衣子が第34回日本神経眼科学会学術賞を受賞いたしました。詳しくはこちら

2022.9.28

宇田川さち子が第33回日本緑内障学会において優秀学術展示賞を受賞いたしました。

2022.5.30

花形麻衣子が令和3年度石川県病院協会研究優秀賞を受賞いたしました。

2021.7.30

朝日新聞社の子ども向けデジタル版「おしごとはくぶつかん」に視能訓練士が紹介されています。


●眼科診療における様々な視機能検査


当院では緑内障、網膜疾患、角膜疾患、神経眼科、眼窩疾患、小児眼科疾患などあらゆる眼疾患に対する検査機器があります。これらの機器をマスターし、眼科領域の全疾患の診断、治療、手術前後の管理を眼科医の指示の下で行います。
 


《外来の機器の紹介》
●視力・屈折検査など
レフラクトメーター(据置き)、Retinomax®、スキアスコープ、スペキュラーマイクロスコープ、眼圧計(ノンコンタクトトノメータ、Ocular Response analyzer®: ORA)、超音波Aモード、光学式眼軸長測定、色覚検査(色覚検査表各種・Panel D-15・アノマロスコープ) 

 

スペキュラーマイクロスコープ

視力検査

 

●視野検査
自動視野計(Humphrey自動視野計、コーワAP7000、FDT視野計)
Goldmann視野計、Amsler charts、M-CHARTS
 

視野検査室

 

●画像検査
眼底カメラ(VX-10i、nonmydWX)、前眼部写真、前眼部解析装置(Pentacam, CASIA2)、HRT-Ⅱ、GDX 、光干渉断層計: OCT(3DOCT-2000、RS-3000 Advance、Spectralis OCT2、RTVue_XR:Avanti、DRI OCT Triton)、Optos(超広角眼底撮影)、レーザースペックルフローグラフィー
 

暗室の様子

 

超広角眼底撮影

 

OCT撮影

 

●電気生理学的検査
  網膜電図、多局所網膜電図

 

網膜電図(ERG)

多局所網膜電図(VERIS)

 
●弱視・斜視・両眼視機能検査
当院の専門外来の中には弱視斜視外来・小児緑内障外来があります。視力検査、両眼視機能検査、眼位検査、調節麻痺剤を用いた精密屈折検査の他に、弱視や斜視の治療計画を専門医と一緒に考え、相談しながら取り組んでいます。
 

 

眼位検査

Teller acuity card(乳幼児視力検査)

 
●神経眼科・眼窩疾患・腫瘍
 Hess赤緑試験、Hertel眼球突出度計、瞳孔検査など。
 

Hess赤緑試験(機器)

 

(検査時の様子)

 

当科で使用している検査機器の紹介はこちら


 

●ロービジョンケア ・ビジョンケア

 日常生活で視覚的に困難を感じた患者さんへの補助具、補装具の選定を行っております。具体的には拡大鏡や拡大読書器、遮光眼鏡、その他便利グッズなどの提案、生活に関する相談や提案を行います。
 

 
遮光眼鏡
ルーペ
単眼鏡
 
タイポスコープ
黒いノート・白いペン
ルーズリーフ・ノート
キッチン用品 (しゃもじ・まな板)
デジタル音声時計
ルーペ付き爪切りなど

拡大読書器

 
 
拡大読書器 
 

宇田川 さち子(主任視能訓練士、医学博士、アイフレイルサポート視能訓練士)

出身校:神戸総合医療介護福祉専門学校 視能訓練士科

    金沢大学医薬保健学総合研究科脳医科学専攻 眼科学 医学博士課程

役職:日本視野画像学会幹事・評議員

所属学会:日本眼科学会、日本視能訓練士協会、日本緑内障学会、日本視野画像学会、

     日本弱視斜視学会、日本神経眼科学会、日本近視学会、日本ロービジョン学会、

     抗加齢医学会、Imaging and Perimetry Society(国際視野画像学会)

花形 麻衣子(主任視能訓練士、アイフレイルサポート視能訓練士)(育児休暇中)

出身校:東北文化学園大学医療福祉学部 リハビリテーション学科 視覚機能学専攻

所属学会:日本視能訓練士協会、日本視野画像学会、日本神経眼科学会、日本弱視斜視学会

介田 理子(副主任視能訓練士、アイフレイルサポート視能訓練士)

出身校:大阪人間科学大学医療福祉学科 視能訓練専攻

役職:石川視能訓練士会 理事(広報担当)

所属学会:日本視能訓練士協会

田中 彩菜

出身校:京都医健専門学校 視能訓練科

小野 美鈴

出身校:仙台医健・スポーツ専門学校 視能訓練科

鈴木 五葉

出身校:東京医薬看護専門学校 視能訓練士科

目黒 琴乃

出身校:国際医療福祉大学保健医療学部 視機能療法学科

齋藤 里奈(アイフレイルサポート視能訓練士)

出身校:大阪医専 視能訓練学科

所属学会:日本視能訓練士協会

林 美野里

出身校:新潟医療福祉大学医療技術学部 視機能科学科

 

学会発表

日本視野画像学会、日本緑内障学会、日本神経眼科学会、日本弱視斜視学会など

論文(和文)

一覧はこちら

臨床研究

緑内障の構造と機能に関する研究

緑内障のQuality Of Lifeに関する研究

斜視の手術成績

視交叉部圧迫病変での視野と構造の関係に関する研究

神経眼科疾患の症例報告

ロービジョンケアに関する研究

黄斑上膜および黄斑上膜合併緑内障眼の視機能に関する研究

執筆活動(一部のみ)

眼科ケア27巻2号(2025年)(メディカ出版)執筆内容の紹介はこちらLinkIcon

   

   

眼科ケア2023年秋季増刊号「眼科検査 完全攻略バイブル」(メディカ出版)

   執筆内容の紹介はこちらLinkIcon

   

 

「できる!斜視検査 両眼視機能がわかる、ケーススタディでレベルアップ!」(三輪書店) 

2023年6月発売

   

 

眼科ケア21巻2号, 2019年(メディカ出版)執筆内容の紹介はこちらLinkIcon

   

   

眼科ケア23巻9号, 2021年(メディカ出版)執筆内容の紹介はこちらLinkIcon

     

   

眼科ケア23巻11号, 2021年(メディカ出版)執筆内容の紹介はこちらLinkIcon

   

 

関連病院に勤務する視能訓練士の研修実績

関連病院で勤務する視能訓練士が弱視斜視検査、視野検査、画像検査などについて、当院で研修を行い検査技術の習得・向上に取り組んでいます。

 

 2015年:おおくぼ眼科クリニック(視野検査、画像検査、眼科一般検査)

 2016年:金沢医療センター(弱視斜視検査)

 2018年:おおくぼ眼科クリニック(視野検査、画像検査、眼科一般検査)

 2019年:恵寿総合病院(弱視斜視検査)、 おおくぼ眼科クリニック(弱視検査、斜視検査)

 2020年:おおくぼ眼科クリニック(視野検査)

 2020年〜2022年は新型コロナウイルス感染拡大のため中止

 2023年:恵寿総合病院(斜視検査)

 2023年:おおくぼ眼科クリニック(視野検査)

 2024年:おおくぼ眼科クリニック(視野検査)、かなざわ土屋眼科(眼科検査一般、視野検査)


当科で使用している検査機器

 

当科ではさまざまな眼科検査機器を駆使して、診療を行っています。
主に視能訓練士が検査を行います。

ノンコンタクトトノメーター(非接触式眼圧測定)

眼に空気を当てて、眼圧(眼の硬さ)を測定します。

非接触式眼圧測定・角膜ヒステレイシス測定装置(ORA)

眼圧を測定すると同時に、空気を当てたときの角膜の形の変化を調べることで角膜の性状を調べることができます。主に緑内障の患者さんに測定します。

オートレフケラト/トノメータ

眼の屈折(近視・遠視・乱視の度数)と角膜曲率半径(角膜の形)を検査する器械です。視力検査の前に行います。角膜厚で補正した眼圧測定も行えます

スペキュラーマイクロスコープ

角膜の内側の細胞(角膜内皮細胞)の写真を撮影して、細胞の数や形を調べます。

光学式眼軸長測定装置

眼球の大きさ(角膜から眼底までの長さ=眼軸長)を測定します。白内障の術前に眼内レンズの度数を決めるために必須の検査です。

光学式生体計測装置

眼軸長測定と角膜曲率を計測します。白内障術前の眼内レンズの度数を決めるために必須の検査です。

ドライアイ・MGD診断装置

ドライアイに関わる各検査(マイボグラフィ、インターフェロメトリー、NIBUT、涙液メニスカス)を1台で行える複合機です。

眼底カメラ

眼底(眼の奥の網膜)の写真を撮影します

眼底カメラ(ステレオ撮影)

眼底の写真を撮影します。視神経乳頭が立体的に見えるステレオ撮影も出来ます。

超広角眼底撮影:Optos Silverstone

眼の奥の網膜をとても広い範囲(200度)で撮影出来る器械です。周辺部までのOCTも撮影できます。

光干渉断層計(OCT):3D OCT-2000

眼の奥の網膜の断層像を撮影して、網膜の状態や網膜の厚みを調べます。

光干渉断層計(OCT):RS-3000 Advance

光干渉断層計(OCT):TRITON

光干渉断層計(OCT):Spectralis

網膜の断層撮影のほか、蛍光眼底造影撮影も行います。

光干渉断層計(OCT):Avanti XR

網膜の断層撮影のほか、血管の撮影(OCT angiography)も行います。

レーザースペックルフローグラフィー(LSFG)

網膜や視神経の血流の状態を調べます。

前眼部光干渉断層計(前眼部OCT):CASIA2

前眼部の断面を撮影して、角膜、前房、虹彩、隅角などの状態を調べます。

角膜形状解析装置:ペンタカム

角膜の厚みや形を詳しく解析します。

ハンフリー視野計(HFA)

見える範囲を調べます。静的視野検査(見えている場所の感度=どれくらいの明るさまで見えるか)を行います。

ゴールドマン視野計(GP)

見える範囲を調べます。動的視野検査(光の大きさや明るさを変えて、見える範囲を測る)を行います。