メディカルレチナ
メディカルレチナでは、加齢黄斑変性、中心性漿液性網脈絡膜症、近視性脈絡膜新生血管、網膜静脈閉塞症、糖尿病黄斑浮腫といった黄斑疾患を主に扱っています。この分野の診療は、2000年代からまさに劇的な変化を遂げ、現在も日々目まぐるしい進歩を続けています。共焦点レーザー検眼鏡を用いたインドシアニングリーン蛍光眼底造影の普及、高深達網膜光干渉断層計、さらには光干渉断層血管撮影の導入といった画像診断技術の発達により、病巣の網膜や脈絡膜への広がりが手に取るように詳細にわかるようになりました。かつては光凝固術ぐらいしかなかった加齢黄斑変性の治療は、2000年代を軸に大きく様変わりしました。光線力学的療法の登場により加齢黄斑変性は治療のできる疾患になりました。また、これまでの治療法は視力を維持させることが治療の限界でしたが、次の段階として、抗血管新生薬(抗VEGF薬)の硝子体内投与の登場により視力向上を治療の目的とするようになり、この治療法は世界中で爆発的な普及を遂げました。また、日本人に多いとされる近視性新生血管黄斑症、網膜静脈閉塞症や糖尿病網膜症に伴う黄斑浮腫など加齢黄斑変性以外の黄斑疾患も抗VEGF薬の硝子体内投与により、その視力予後が著明に改善されました。
後期研修の目標は、①各種検査法(カラー眼底写真撮影、ステレオ眼底写真撮影、蛍光眼底造影撮影、網膜光干渉断層計、光干渉断層血管撮影など)の測定原理、長所・短所、撮影手技を理解し習得する。②各種検査法の正常所見、異常所見を理解する。③病歴、視機能検査、検眼鏡所見、各種画像所見を総合的に判断し疾患を推定する。④各種疾患の疫学、臨床的特徴、治療法、予後などを理解する。⑤抗VEGF薬硝子体内投与、トリアムシノロン硝子体内投与・テノン嚢下投与の特徴、手技を理解し習得する。⑦網膜光凝固術の適応疾患、手技を理解し習得する。⑥光線力学的療法の適応、手技を理解する。といった内容を専門医の指導下で段階的に習得していきます。
本院にはインドシアニングリーン蛍光眼底造影装置、共焦点レーザー検眼鏡、高解像度網膜光干渉断層計といった最新機器が複数設置されており、このような最新機器が設置されている施設は限られています。また、抗VEGF薬を即日投与できる体制や光線力学的療法を行っている施設は全国的にもまだ多いとはいえません。本院で臨床研修を行うことにより、黄斑疾患に対する最新の診断技術や治療法を習得することができます。