眼腫瘍
●眼腫瘍疾患の診断
眼科領域で後期研修期間中におさえておきたい代表的な腫瘍を羅列します。
【眼窩腫瘍】ORBITAL TUMORS
MALToma MALTリンパ腫、
dermoid cyst 皮様嚢腫、dermolipoma 皮様脂肪腫、dacryops 涙腺嚢腫、
cavernous hemangioma 海綿状血管腫、neurilemoma 神経鞘腫
pleomorphic adenoma 多形腺腫
多形腺腫源癌pleomorphic adenocarcinoma
adenoid cystic carcinoma of lacrimal gland 涙腺の腺様嚢胞癌
metastatic tumor悪性腫瘍の眼窩転移(乳がん、肺がんなど)
IgG4-related ophthalmic disease IgG4関連眼疾患(腫瘍と鑑別を要する炎症性疾患)
【眼内腫瘍】INTRAOCULAR TUMORS
choroidal hemangioma 脈絡膜血管腫、choroidal osteoma 脈絡膜骨腫、
uveal melanoma ぶどう膜悪性黒色腫、retinoblastoma 網膜芽細胞腫、
Intraocular lymphoma 眼内リンパ腫
metastatic tumor 転移性脈絡膜腫瘍
【眼瞼・結膜腫瘍】EYELID & CONJUNCTIVAL TUMORS
seborrheic keratosis 脂漏性角化症、nevus 母斑、chalazion 霰粒腫、papilloma 乳頭腫、
basal cell carcinoma 基底細胞癌、sebaceous gland carcinoma 脂腺癌、
squamous cell carcinoma 扁平上皮癌、malignant melanoma 悪性黒色腫、
lymphoma (MALToma)
これらの腫瘍につき、視診、細隙灯顕微鏡所見、眼底所見、眼底造影検査、超音波、CT、MRIなど画像の読影を学びます。また、これら代表的疾患の病理像について学習します。
●眼腫瘍疾患の治療
がんの治療は、①手術、②放射線療法、③薬物療法、の3つに大別できます。このうち、眼科が携わるのは、主に①と、③(局所)であり、他は他科との連携により治療を行います。
手術には、眼瞼腫瘍の摘出とその再建術、眼窩腫瘍の摘出(場合によっては眼窩骨切り)、眼表面の腫瘍の摘出とその再建術、眼内悪性腫瘍に対する眼球摘出術、腫瘍眼内リンパ腫に対する硝子体手術、涙腺を代表とする生検術、などがあり、担当医として実際の手術に携わります。また、良性の眼瞼腫瘍や霰粒腫の摘出などの習得を目指します。
●学会・論文発表
眼腫瘍には稀な症例もあり、実際に症例に携われば学会発表、論文投稿を行います。眼科全体の学会には日本眼科学会総会、日本臨床眼科学会、ARVO視覚眼科学学会などが、また眼腫瘍専門の学会・研究会には本眼腫瘍学会、日本眼窩疾患シンポジウム、日本眼形成再建外科学会、国際眼腫瘍学会(ICOO)などが挙げられます。