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専門分野の研究紹介


 

眼腫瘍、眼瞼・眼窩グループ

眼内悪性リンパ腫の再発抑制を目的としたブルトンキナーゼ(BTK)阻害薬の治験

眼内悪性リンパ腫の再発抑制を目的としたBTK阻害薬の医師主導治験を、当施設を含む国内11大学病院で行っています。本治験はPMDAの事前相談の上で、AMEDの協力を得て施行する保険承認をめざした医師主導治験です。
 
目標症例数集積のため、広く被験者を募集しております。登録は2023年1月31日までの予定です(38名登録予定)。皆様のご協力をよろしくお願いいたします。
 
※詳細につきましては、ホームページ「眼内悪性腫瘍の診断と治療」(URL:https://iol.link/)をご参照ください。
 

 IgG4関連眼疾患を含む眼窩リンパ増殖性疾患に関する疫学調査

近年、国内外においてIgG4関連疾患への関心が高まり、比較的頻度の高い疾患であることが分かってきました。本邦では2013年に全国18施設における調査が実施されました(Japanese study group of IgG4-related ophthalmic disease. A prevalence study of IgG4-related ophthalmic disease in Japan. Jpn J Ophthalmol. 57: 573-9, 2013.)。それによると病理診断された眼窩リンパ増殖性疾患1,014症例の内訳は、MALTリンパ腫404症例(39.8%)、IgG4関連眼疾患が219症例(21.6%)、IgG4染色陽性MALTリンパ腫44症例(4.3%)でした。つまり本邦では、眼窩のリンパ増殖性疾患のおよそ4分の1はIgG4関連疾患とIgG4染色陽性MALTリンパ腫が占めることが示されました。
 

IgG4関連眼疾患の診断基準の確立

IgG4関連疾患の眼病変つまりIgG4関連眼疾患の病態に関する診断基準については、厚労省科学研究「IgG4関連疾患に関する調査研究」研究班や日本眼腫瘍学会での討議を経て2014年に公表されました(Goto H, Takahira M, Azumi A; Japanese Study Group for IgG4-Related Ophthalmic Disease. Diagnostic criteria for IgG4-related ophthalmic disease. Jpn J Ophthalmol. 59:1-7, 2015. 後藤 浩, 高比良 雅之, 安積 淳 . IgG4関連眼疾患の診断基準(解説). 日本眼科学会雑誌 120: 365-368, 2016.)。そこでは、IgG4関連眼疾患の3大病変が涙腺腫大、三叉神経腫大、外眼筋腫大であることが明記され、また眼窩病変のIgG4陽性細胞数は強拡大視野内50個以上とする新たな基準が採用されました。
 

IgG4関連眼疾患のモデルマウスにおける研究

IgG4関連疾患は2001年に日本から始めて報告された疾患概念で、高IgG4血症を伴い全身の諸臓器にリンパ増殖性病変がみられる病態です。2004年には涙腺腫脹をきたすMikulicz病がIgG4関連であることが判明し、さらにその眼病変は涙腺の他にも、外眼筋、三叉神経、視神経などに及ぶことが判り、IgG4関連眼疾患の概念が明らかとなりました。最近IgG4関連疾患の動物モデルとしてTh2優位の免疫反応を呈するLatY136F変異マウスが注目され、脾臓、膵臓、唾液腺などにリンパ増殖病変が多発することが判明しました。当科でもこのIgG4関連疾患モデルマウスの眼領域病変に着目し、目下、涙腺、脂腺を含む眼領域の病態を調べています。